夏
小さい頃から四季の中で夏が一番好きだった。
自分の誕生日があるけど、それだけじゃなくて。
焼けるような日差しにねっとりとした空気、思わず声を出してしまうほどの暑さは嫌だけど嫌じゃない。
暑い外から帰ってきた後に飲む冷えた麦茶。
たとえ食欲が無くても食べられる素麺。
滲む汗に、終わらない宿題。鳴き叫ぶセミ。
海にプールに花火も浴衣も、夏には楽しいことがたくさんある。
そういう夏の雰囲気が好きだ。
今年の夏は期待出来なかった。
新型コロナウイルス、てめーのせいだ。
春に開催予定だった、待ち望んだかっこいい系のテイストのツアーは全公演延期。
神山くんが手掛けた曲だってセトリ入りしてたはず。
私はこれが見たかった。
更に夏には4年ぶりの京セラドームと初の東京ドーム公演が予定されていたが、こちらも延期。
55000人で「ええじゃないか~!」と叫ぶ夢も、今年は叶わない。
物理的には見えないヤツにこんなにも大勢の人が苦しんでいて、多くの悲しみを生んだ。
そんなコロナ禍でも私の毎週の楽しみがあった。
「正しいロックバンドの作り方」
初めて自担の主演ドラマを見た。
ドラマ版、最高だった。
今気付いたけど本題に行き着くまでが長い。のでドラマ版の感想はここに書かないです。が!本当に贔屓目なしで面白いドラマだったので見てください。Huluで全話独占配信中です。
https://www.hulu.jp/rock-it-right
そんな最高ドラマが舞台化をした。
「正しいロックバンドの作り方 夏」
8/15(土)夜公演見てきました。
(この熱量を残すための180字じゃ足りないこと、ザザザッと書きます。
レポでもなく感想でもなく、なんだこれは?という乱文になる予感。)
前情報は発売された雑誌と、初日前日のゲネ公開にあたって更新されたネット記事。
ネット記事の中にはネタバレを含むものもあったので、それは全スルーした。
Twitterでも無闇に検索しなかった。ネタバレ絶許マンなので。(今からレポを読むのが楽しみ)
入口の検温、前後左右が空けられる座席、全員マスク着用。
"いつもと違う"ことに対する緊張と、"やっと自担に会える"緊張でいっぱいだった。
幕が上がる。
⚠️以下、ネタバレあります!!
暗闇の中で流れる「証拠」。
パッとライトが付くとテツコバオギノ。
いる。そこにいる。
家出る準備をしながらドラマの中で特に好きな5話を見て来た。さっきまで見てた。ドラマの中の人がそのままそこに座っていた。
シズマの苦悩、コバの家族、オギノくんの過去、テツくんの葛藤。
家族愛
兄弟愛
バンド愛
全部詰まって
笑って泣けて最高の舞台だった。
特にラストシーンは、生の肌で感じられて良かった。
私はずっと悲しみの向こう側の演奏が聞きたかったのだ。
90分とは思えないほどの内容の濃さ。
高い演技力構成力演出力に圧倒され、世界にどっぷり入り込めた。
「あの人も、悲しみの向こう側へ」
365日分の1の今日を、最高の"今日"に
キエチマエカナシミ。
閉演後に会場を出た瞬間、暑い空気がまた襲ってきた。セミも鳴いてる。汗も滲み出てきた。
もう初日公演から1週間経つけど、
私の大好きな夏が、始まった気がした。